コラム 精神科作業療法について「第6回 SST」
芙蓉会病院では精神疾患を抱えている方へのリハビリを担当する作業療法士が在籍しています。精神科医療での作業療法について全6回のコラムでお届けします。
コラム 精神科作業療法について「第6回 SST」
作業療法のプログラムとしてSSTを実施することもあります。
SSTとはSocial Skills Trainingの略で、日本語では“社会生活スキルトレーニング”と提唱されています。SST普及協会によると、『対人関係を中心とするソーシャルスキルのほか、服薬自己管理・症状自己管理などの疾病自己管理スキルを高める方法がスキルパッケージとして開発されている治療法』と説明されています。
難しそうなイメージを持たれるかもしれませんが、コミュニケーションの練習と想像してもらえればと思います。入院されている患者様全員を対象とするのではなく、コミュニケーションなどで困っている方で少人数のグループを作り、グループ内で相談やアドバイスをしてから実際の場面を想定してロールプレイをする治療法です。
まずは目標を設定し、それからプログラムに参加していきます。
過去に練習した場面の例としては
・病棟のテレビのチャンネルを変えたいけど、どう言いだしていいかわからない
・外出した先のお店でトイレの場所がわからなかったけど店員さんに聞けなかった
・ケンカしたあと謝りたいけど話しかけられない
などなど…
参加している方の思いを聞きながら、納得できる解決法を探していきます。
SSTは作業療法のプログラムですが作業療法士だけではなく、看護師、介護士、精神保健福祉士など多職種と協力して行っています。多職種連携できることはとても心強いですね。
全6回にわたりご覧いただき、ありがとうございました。
出典:一般社団法人 SST普及協会HP「SSTとは」
◆執筆者◆
棟方 麻野
作業療法士
2024.9.18