精神医療では長期入院が問題となっています。長期入院の方の退院支援のため、多職種連携チーム「チームフロンティア」を立ち上げました。チーム立ち上げの背景や活動について全4回のコラムでお届けします。

 

コラム 共に暮らせる地域生活のために「第4回　地域と病院とのつながりを大切に」

退院促進活動だけにこだわらず、まずは患者様がどんな話題でも話せる機会や場となるよう、病棟内に専用ブースを設け対面形式で行う「なんでも相談会」を開催しました。地域にも気軽に相談出来る支援者がいることを知ってもらいたいという思いもありました。

またその他にも、参加する方が不安や緊張なく、穏やかな雰囲気の中で雑談できる「なんでもカフェ」の開催、地域にある施設を撮影した映像を上映する「社会資源上映会」など、「地域」と「病院」とのつながりを大切にしてきました。

実際にこの活動を通して、長期入院から退院された方々も多くいらっしゃいます。退院後の地域生活は何かと大変なこともありますが、それでも退院した方々は自分らしさを大事に、地域の中で過ごされています。

長期入院されている方々の「退院したい」という声に耳を傾け、その想いを実現させていくことが私たちの役割であり、今後も病院から地域へスムーズに移行できる方法を「地域」と「病院」とともに考え続けていきたいと思います。これからも私たちは、患者様の希望を叶えるために、新たな可能性を開拓していきます。

（おわり）

 

◆執筆者◆
斎藤徳子（さいとう　のりこ）
精神保健福祉士

2024.6.19