気分の落ち込みは誰もが経験するものです。これは、たいてい数日たつと解消します。しかし、言葉では表現しようがないほどつらい沈んだ気分または興味・喜びの喪失が、ほとんど一日中、ほぼ毎日、2週間以上続き、仕事や日常生活の困りごとが出てきてしまう状態のときは要注意です。
うつ病は、物事に対する考え方や生活環境、日常生活において発生したストレスなどが複雑にからみあって、脳内の神経伝達物質の異常が引き起こされ発症すると考えられています。
精神論、気力で解決できるものではありません。うつ病は、治療が必要な病気です。
まだまだ休むことがためらわられる社会ではありますが、休むことも大事な治療です。
次のことが日頃より大切です。
など
5項目のうち、2つ以上該当していて、それが2週間以上、ほとんど毎日続いていたり、日常生活に支障があったりする場合は、うつ病の可能性があります。
気分が落ち込む、憂うつ
ちょっとしたことが不安で、ドキドキする
やる気がでなくなる、好きだったことをしても楽しめない
物事を悪い方向に考えてしまう
遠くへ行きたい、消えてしまいたいと考える
自分を過剰に責める、私なんか生きていてもしかたがないと考える
不眠または過眠
ちょっとした日常動作がしんどく感じる、すぐに横になりたくなる
頭痛、頭重感、首筋や肩がこる、背中や胸が痛い、関節が痛い
ほかにも、食欲低下、口渇、動悸、めまい、咽喉頭異常感、胃部不快、頻尿 など 人により症状の種類や程度はさまざまです。
うつ病ではこころの症状のイメージが強いですが、体調に変化が出ることもあります。体調不良から内科を受診したものの原因がわからず、精神科や心療内科を紹介され、うつ病と診断される場合もあります。また、更年期障害と思っていたり、高齢者であれば年だから、また、認知症と思われていたりするものが、実はうつ病であることもあります。
糖尿病や脂質異常症(高脂血症)などの生活習慣病、がん、心筋梗塞や脳卒中ではうつ病を併存しやすいといわれています。病気そのものや治療薬の影響などで脳の機能に影響を及ぼし、うつ病を発症する場合もあります。
さらに、気分が高まったり(躁状態)、落ち込んだり(うつ状態)を繰り返す病気に「双極性障害(躁うつ病)」がありますが、単なるうつ病と誤解されていることもあります。
などがあります。「うつ病」と「双極性障害(躁うつ病)」では治療が異なりますので大事なポイントです。