お酒に関するコラム「第2回 知っていますか?急性アルコール中毒とアルコール依存症 その2」
身近なお酒について知ってみませんか?
全6回で「お酒に関するコラム」をお届けします。今回は第2回/6回です。
第2回 知っていますか?急性アルコール中毒とアルコール依存症 その2
アルコール依存症とは・・・
アルコールを繰り返し(ほぼ毎日)多量に摂取した結果、アルコールに対し依存を形成し、精神的および身体的機能が持続的あるいは慢性的に障害されている状態をいいます。
多量ってどのくらいの飲酒量が多量と言われているかみなさんご存じでしょうか。
厚生労働省の「健康日本21」では純アルコール60g。ビールだと500ml缶3本、日本酒3合・・・えっ?そのくらいの量で多量っていうの?と感じる方が多いと思います。
老若男女を問わず、長期間多量に飲酒をすれば、誰でもアルコール依存症になる可能性があります。ただ単に、個人の性格や意志の問題ではなく、精神疾患と考えられています。
症状には、精神依存と身体依存とがあります。
① 精神依存
・飲酒したいという強烈な欲求(渇望)がわきおこる、飲酒のコントロールがきかず、節酒ができない。飲酒やそれからの回復に1日の大部分の時間を消費し、飲酒以外の娯楽を無視する(興味を持てない)。精神的身体的問題が悪化しているにもかかわらず断酒しない、などが挙げられます。
②身体依存
・アルコールが体から切れてくると、手指のふるえや発汗などの離脱症状(禁断症状)が出現する、以前と比べて酔うために必要な酒量が増える、などが挙げられます。
結果的には、人生・生活の何よりも、飲酒をすることがはるかに優先的な行動となってしまうのです。
しらふで日常生活に楽しいこと・幸福感を感じられる事を見つけることが大切です!
出典:厚生労働省「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」
(つづく)
◆執筆者◆
田中 倫子(たなか みちこ)
芙蓉会病院 看護師
2024.2.28