コラム「認知症の特徴とそのケア 第4回」
「認知症の特徴とそのケア」
このコラムは全8回でお送りします。今回は第4回/全8回です。
第4回 レビー小体型認知症のケア
今回は「レビー小体型認知症のケア」について取り上げたいと思います。
【レビー小体型認知症のケア】
- 幻視への対応
⇒ 薄暗い環境で生じやすいので、部屋の明るさを十分に保つ必要があります。 - 視覚的な認知の障害から巨大視や変形視があり、恐怖を生じる。
⇒ 急に近づいたり、真正面には立たない。 - パーキンソニズムの出現
⇒ 手指の振戦や、体が傾いていたり、歩行の際に1歩目が出にくい。
急に止まれないなどの症状があるので、転倒などの事故防止。 - 抗精神病薬に過敏なことを周知する。
⇒ 現状の意識や覚醒状況を観察する。 - 言語的理解は保たれている反面、言語的な表現に障害が生じやすい。
⇒ 相手の言いたいことを代弁し、明確に伝える。(都度に利用者に確認しながら) - 意識の変動は急激で、1日内での変動や数日間での変動を伴い、意識が清明な時間との境界が明確である。意識の変動時に人物を間違ったり混乱を生じる。
◆ 意識が変容していることをチームスタッフで共有する。
◆ 周囲の危険物を除去し、他の利用者から離れ、静かな環境を提供する。
◆ マンツーマンでの対応。穏やかな口調や態度。
◆ おむつ交換や入浴などは、ケアの時間をずらす対応。 - 情緒面や感性などが保たれている。
⇒ 音楽・園芸・芸術療法などを用いた活動が有効となる。(毎回ゼロからの援助となることもあります)
(つづく)
(次回は「第5回 脳血管性認知症の特徴」です。)
◆執筆者◆
細川 勝広(ほそかわ かつひろ)
芙蓉会病院副看護部長。第5病棟師長。
2023.10.25