芙蓉会病院

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コラム「認知症の人とのコミュニケーション方法 ―バリデーション第3回」

「認知症の人とのコミュニケーション方法 ―バリデーション」

このコラムは全3回でお送りします。今回は第3回/全3回です。

 

第3回 バリデーション 基本的な態度、テクニック

バリデーションとは、その人をあるがままに受け入れるという原則に立った認知症の人とのコミュニケーション方法です。

今回は、「基本的な態度、テクニックについて」です。

 

【基本的な態度】
①傾聴する ②共感する ③評価しない ④誘導しない ⑤嘘をつかない ⑥ ごまかさない

 

【基本テクニック】

  • センタリング(精神の集中)
  • 事実に基づいた言葉を使う
  • リフレージング (相手の言うことを繰り返す)
  • 端的な表現をする
  • アイコンタクト
  • 曖昧な表現を使う
  • 反対のことを想像する
  • レミニシング (思い出話をする)
  • はっきりとした低い優しい声で話す
  • ミラーリング (相手と同じ行動をする)
  • 満たされていない人間的欲求と行動を結びつける
  • 好きな感覚を用いる
  • タッチング
  • 音楽を使う
  • キャリブレー ション(相手と自分の感情を一致させていく)

丁寧にコミュニケーションを取ることで、感情や記憶の表出を促し、言葉や行動の奥にある思いに共感し、認知症の人の存在価値を確認できるよう手助けすることが大切です。

たとえ認知症後期の無言状態になったとしても、あきらめずコミュニケーションをし、最 後まで発信し続けることが大切です。

(終わり)

 

◆執筆者◆

白鳥 淳也(しらとり じゅんや)
芙蓉会病院 第4病棟師長

2024.1.31

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