「認知症の特徴とそのケア」

このコラムは全8回でお送りします。今回は第7回/全8回です。

 

第7回　前頭側頭型認知症の特徴

今回は「前頭側頭型認知症の特徴」を取り上げます。

【前頭側頭型認知症の特徴】

1. パーソナリティの障害
   ⇒　反社会的な行動、勝手気ままな行動、周囲に無関心、感情的に冷淡、異常な程機嫌がいいなどの症状が見られる。
2. 周囲の影響を受けやすくなり、見た動作や聴いた言葉・歌など躊躇なく真似る。
3. 抑制がきかない。
   ⇒　じっとしていられない。我慢がきかなくなる。興味を引いたものの方へ行ってしまう（立ち去り行動）。
4. 常同行動
   ⇒　趣味や関心が著しく狭くなり、同じことは何度も反復する。（例えば、徘徊は同じ経路で、決まった場所でドアノブを触るなど）
5. 自発性の低下
   ⇒　無為、引きこもる、身体の清潔を保てない。
6. 食行動異常
   ⇒　甘いものや特定の品に固執し、そればかり食べる。
7. 失語
   ⇒　発語が減少・消失、言語理解の低下、言葉が出ない、言葉の意味がわからない。
8. 異食
   ⇒　他者の手を引っ張りなめる、テーブルをなめるなど。

（つづく）

 

（次回は「第8回　前頭側頭型認知症のケア」です。）

 

◆執筆者◆

細川　勝広（ほそかわ　かつひろ）
芙蓉会病院副看護部長。第5病棟師長。

2023.12.6