コラム「認知症の特徴とそのケア 第2回」
「認知症の特徴とそのケア」
このコラムは全8回でお送りします。今回は第2回/全8回です。
第2回 アルツハイマー型認知症の特徴と必要なケア
今回からは「代表的な認知症の特徴とそのケア」につて取り上げたいと思います。
「アルツハイマー型認知症」「レビー小体型認知症」「脳血管性認知症」「前頭側頭型認知症」それぞれの特徴とそのケアについて順にご紹介します。
今回は「アルツハイマー型認知症の特徴と必要なケア」について記載したいと思います。
【アルツハイマー型認知症の特徴とケア】
1 記憶を思い起こすことが苦手
⇒ケア⇒ 言葉的な記憶だけではなく、視覚的刺激を活用する
2 環境の変化に弱く混乱しやすい
⇒ケア⇒ 馴染みの物と共にゆっくりと変化をさせる、型を決めて同じパターンで支援する
3 培った知識や体験が徐々に失われていく
⇒ケア⇒ 間違いを指摘して訂正をせずに許容し支援していく
4 物事の課題や事態の意味が分らなくなる
⇒ケア⇒ 理屈による説得はひかえ、共感した対応
5 目前の事態に自分との関係づけができない
⇒ケア⇒ 質問はやさしいものから聞いていく
6 過去と現在の時間経過が入り混じる
⇒ケア⇒ 自ら輝いていた時代の生活動作が見られている
7 周囲の状況に影響されやすい
⇒ケア⇒ グループ化を選び実施する
8 時間の観念をなくし、退屈がない
⇒ケア⇒ 時間の流れや順番付けを生活の中で設定する
9 過去が失われていき、未来が考えられない
⇒ケア⇒ 馴染みの関係を作っていき今を大切にできる支援
(つづく)
(次回は「第3回 レビー小体型認知症の特徴」です。)
◆執筆者◆
細川 勝広(ほそかわ かつひろ)
芙蓉会病院副看護部長。第5病棟師長。
2023.9.27